義務教育における運動部活動の意義

~中学部活動の現状と改善~

4年4組29番 松原 大和

【目的】

 私は中学時代にバスケットボール部に所属していた。そこではスポーツを通しての体力面、技術面の向上だけではなく、人間関係や精神力といったような「心・技・体」を学んだ。自身、この部活動をやり通した3年間は人間的にも成長できたし、この後もスポーツに携わっていこうと思えたきっかけにもなった。だからこそ、義務教育における部活動、特に中学の運動部活動がいかに大切であるか、また存続していく必要性とこれからの部活動の在り方を考察したいと思う。そのために部活動を取り巻く環境と現状を調べ、問題点を明確にしていきたい。そして、部活動の本来の意義を再確認することが本研究の目的である。

【各章の概要】

第1章 部活動の変遷
 学校教育のなかでの「部活動」と「クラブ活動」の意味合いの違いを歴史的に見る。1998年の学習指導要領の改訂により、中学校におけるクラブ活動は廃止となる。これにより部活動の持つ存在意義は大きくなり、学校教育において生徒が常に携わっていく存在となる可能性が高くなる。しかし、部活動が教育課程外であるがために制度的、行政的に整備されていない分、現実として様々な問題が起きている。

第2章 部活動の意義
 社会的に見た部活動の役割を考えてみる。一つ目は、生徒の発育や発達といった人間形成。二つ目は、学校生活を有意義にするため。三つ目は、スポーツの普及。四つ目は、地域や家庭の活性化である。また、部活動の与える影響について西島央の研究データを用い考えていく。

第3章 部活動の現状と問題
 学校教育が抱える問題、部活動を取り巻く問題を挙げていく。その中で、部活動中の負傷・死亡事故について裁判の判例を用い、詳しく紹介していく。

【結論】

 歴史的背景や研究データを参考に現在、部活動を取り巻く問題の解決策を示し、部活動の展望を述べる。行政が法的整備を見直し、学校教育や部活動に関わるすべての人が生徒一人ひとりの意見に耳を傾けることが大切であり、部活動の今後の発展には欠かせないことである。そうすることにより、部活動の意義が見えてくるはずである。

【主な資料】

1、『部活動改革 生徒主体への道』内海和雄(1998)不昧堂出版
2、『新版特別活動と人間形成』山口満(2001)学文社
3、『部活動 その現状とこれからのあり方』西島央(2006)学事出版