「日本サッカーミュージアム」視察報告書

報告者:多田直人・鈴木快彰・大平真衣(第6期生)
視察日:2013年10月31日(木)

1.はじめに

 2013年10月31日,日本サッカーミュージアムの見学に行った。昨年の5期生,さらに4期生と連続で視察日は雨天だったが,私達6期生の視察日は晴天だった。

図1.png

図1 ミュージアム到着

2.日本サッカーミュージアム

 所在地は東京都文京区サッカー通り本郷3丁目10番15号JFA日本サッカー協会ビルの地上1階,地下2階,地下3階である。JR御茶ノ水駅を出て,徒歩6分のところに位置している。2002年日韓共同開催FIFAワールドカップの開催を記念してJFA(日本サッカー協会)が2003年12月22日に開設した。

 1921年にJFAの前身となった大日本蹴球協会が設立され,2か月後の11月に日本サッカーで初めての全国大会が行われた。ア式蹴球全国優勝競技会(現天皇杯全日本サッカー選手権大会)を最初とし,歴史の幕を開けた日本サッカーの90年近い歴史を振り返ることが出来る。
 まず,サッカーミュージアムに入館すると選手一人ひとりの写った旗が迎えてくれた。

図2.png

図2 日本代表選手の旗

 地下1階にはサッカーの殿堂コーナーがある。数々の栄光を勝ち取り日本サッカーの一髄を作ってきた方々の顔型が展示されている。その中に明治大学のOBの杉山さんもおり,明治スポーツの強さを実感した。ここまでは無料で見ることができるエリアである。

 地下2階からは有料となる。入場料は大人500円,小中学生300円(団体20名以上・障害者の方々・JFAファミリーなどは400円,地域サッカー協会・都道府県サッカー協会に加盟していると割引あり)となっている。ここには,世界初の共同開催となった日韓共同FIFAサッカーワールドカップの映像資料があり,当時の記憶が思い出された。
 また,2002年FIFAワールドカップのロッカールームが再現されており,そこには実際に選手が試合で着用したユニフォームなどが展示されている。基本的にはガラス張りになっているが,一箇所ガラスのないところがあり,集中する試合前の感覚を体験できるようになっている。

図3.png

図3 ロッカールームに座る多田選手

 さらに,大型3Dスクリーン映像でサッカーを楽しむことが出来る。世界の名だたる選手たちが目の前でプレーをする映像は大迫力だった。

図4.png

図4 3D映像を楽しむゼミ生たち

 このミュージアムはこれからの日本サッカーの情報発信地として,さらに2002年日韓共同開催FIFAワールドカップの感動を永遠に保存すること,1921年から始まった日本サッカーの軌跡を後世に残すことに大きな意味があり,個人個人にとってスポーツが与えてくれる物の本当の答えを探してくれる。

図5.png

図5 円陣に加わる林選手

図6.png

図6 インタビューを受ける戸邉選手

 2010年の第19回FIFAワールドカップは,2010年6月11日~7月11日に南アフリカ共和国で開催された。予選を勝ち抜いた31チームと開催国である南アフリカ共和国の計32チームを8グループに分けグループリーグを戦い,各グループ上位2チームが決勝トーナメントに進出し,優勝を争った。
 決勝戦は7月11日,スペインとオランダの間で行われた。延長戦にもつれ込む接戦となったが,延長後半11分のスペイン代表イニエスタのゴールが決勝点となり,1-0でスペインが初優勝した。結果,優勝スペイン,準優勝オランダ,3位ドイツ,4位ウルグアイとなった。

3.2010年FIFAワールドカップにおける日本代表

 日本代表は2009年6月6日のアジア地区最終予選において,ウズベキスタンに勝利し,4大会連続4度目のワールドカップ本大会出場を決めた。2008年急病のため退任したイビチャ・オシムの後を継いだ岡田武史監督は,本大会ではベスト4進出という目標を掲げた。ちなみにそれまで3回の大会の成績は,1998年フランス大会グループリーグ敗退,2002年日韓大会ベスト16,2006年ドイツ大会グループリーグ敗退となっている。
 本大会のメンバーは以下の通りである。

表1 本大会メンバー

ポジション

選手名

GK

楢崎 正剛

川島 永嗣

川口 能活

DF

駒野 友一

田中マルクス闘莉王

長友 佑都

内田 篤人

岩政 大樹

今野 泰幸

中澤 佑二
MF

阿部 勇樹

遠藤 保仁

松井 大輔

中村 俊輔

中村 憲剛

長谷部 誠

本田 圭佑

稲本 潤一

FW

岡崎 慎司

玉田 圭司

矢野 貴章

大久保 嘉人

森本 貴幸


 組み合わせ抽選の結果,日本代表は,グループE に入り,オランダ,デンマーク,カメルーンと対戦することとなった。
 2010年6月14日,初戦カメルーン戦では,前半39分の本田圭佑の1点を守りきり,1-0で勝利し,他国開催でのワールドカップ初勝利を挙げた。続く6月19日第2戦では,0-1でオランダに惜敗した。しかし,6月25日グループリーグ最終戦では,前半17分の本田圭佑,前半30分の遠藤保仁の2本のフリーキックでのゴール,後半42分の岡崎慎司のゴールで計3得点を挙げ,デンマークに3-1で勝利した。結果,通算2勝1敗のグループ2位となり,決勝トーナメント進出を果たした。
 そして,6月29日決勝トーナメント第1戦ではパラグアイと対戦した。0-0のまま延長戦でも決着がつかず,今大会初のPK戦に突入した。PK戦でも接戦を繰り広げたが,惜しくも3-5で敗れ,日本代表はベスト16という結果に終わった。

図7.png

図7 2010年FIFAワールドカップ南アフリカ大会日本代表サイン入りユニフォーム・大会用IDカード

4.2010年日本代表ユニフォーム

 日本代表の戦いを支えたものは多くあるが,その一つとしてユニフォームが挙げられるだろう。
 2010年FIFAワールドカップ南アフリカ大会に向け,日本代表新ユニフォームが作成されていた。デザイン・製造を担当したのは,サッカー日本代表オフィシャルサプライヤーのアディダスジャパン株式会社である。

 ユニフォームのコンセプトは「革命」である。下に示す,3つのポイントがある。
・選手のコンディション,気候,プレイスタイルに合わせて選択できること(テクノロジーコンセプト)
・革命へと導く「三本足の鳥」の羽がデザインされていること(デザインコンセプト)
・歴代サッカー代表の願いが込められたエンブレムが施されていること(JAPANコンセプト)

このユニフォームには,「TECHFIT(テックフィット)」と「FORMOTION(フォーモーション)」という,選手自身が選択できる2タイプが用意されていた。TECHFITは,クモの巣状に張り巡らせたパワーバンドで体にフィットし,適度な圧着によって,姿勢や筋出力を向上させるというものである。一方,FORMOTIONは,3次元立体裁断技術で着心地や動きの快適性を重視したものである。また,素材には,導水ループとドライループを組み合わせた最新ファブリック「Fabric XX(ファブリック ダブルエックス)」が採用された。

図8.png

図8 日本代表ユニフォーム(TECHFIT)

図8.png

図9 日本代表ユニフォーム(FORMOTION)

 左の胸にあしらわれているのは,日本国旗と当時の日本サッカー協会の新エンブレムである。日本国旗は,歴代サッカー日本代表ユニフォームの糸で織り上げたワッペンで,日本サッカーの歴史を切り拓いてきた先人たちの魂を刻み込んだものである。新エンブレムは,勝利を導くとされる「三本足の烏」はそのままに,白地に赤という日本国旗のデザインを取り入れ,日本を背負って戦いに挑む覚悟を象徴するものである。また,「革命へ導く羽」として,三本足の烏の羽が前面に紋様として織り込まれた。
 ユニフォームカラーは,深い海と高い空を表すジャパンブルーという濃い青を基調にし,胸元と襟には,世界に挑む日本という意味を込めたジャパンレッドが,日の出の輝きを表すゴールドが右袖にアクセントカラーとして使われた。

図10.png

図10 日本国旗と日本サッカー協会のエンブレム

 日本代表選手たちは,デザインにも機能性にも優れたこのユニフォームを着て,2010年FIFAワールドカップ決勝トーナメント進出を果たしたのである。 日本代表を支えたものとしてもう一つ,試合を応援するサポーターに着目した。

5.日本代表応援団ULTRAS(ウルトラス)

 ウルトラスニッポンとは,日本代表チームを応援するサポーター集団のこと。日本代表の試合がある日には,その会場がどこであろうと駆けつける。日本国内は言うまでもなくアジア,中東,欧州,南米。その場所がどこであっても,日本代表の試合があるスタジアムにはウルトラスニッポンの横断幕がスタンドに揚げられる。(ULTRAS公式HPより抜粋)

図11.png

図11 応援風景

 今回私たちは,ULTRASの一員である方にインタビューを行った。

多田:ではよろしくお願いします。早速ですが,ウルトラスは,具体的にどのような活動をされているのですか?

I.Y:基本的には日本代表が大会に出る時には海外だろうと日本だろうと現地まで行って,幕を出してみんなで応援することがメインかな。強制ではないけど,基本的にみんなくる(笑)。まあ,みんなって言っても何かくくりがあるわけではないんだけどね(笑)親善試合とかは場合によっては行けないこともある。僕はU-17の試合とかも行ける時には行ったりしてる。再来週からもドイツとかベルギーの欧州遠征について行く予定だよ。

多田:普段は清水エスパルスの応援をされているそうですが,両立は難しくないですか?

I.Y:まあ,基本的には試合は被ることはないから,どちらかに行けないってことはないんだけど,移動とかはハードだから,体力的にきついことはあるよ。まあこれも選手と一緒に勝つ為だから苦ではないけどね。

多田:海外での応援について,何か特に記憶に残っていることはありますか?

I.Y:2010年の時,その前の南アフリカでの合宿に行ったことが記憶にあるかな。あの時は普段の試合とちがって,ブブゼラの音の影響で声を使った応援が届きづらいっていう情報があった。だから,大会前の合宿の時から選手に会って直接信頼関係を作ろうとしたんだ。

多田:具体的にはどのようなことをしたのですか?

I.Y:南アフリカでの直前合宿の時に郊外の練習場所まで行って,練習を見学して,監督と話したり,選手と直接コミュニケーションを取って話を聞いたりしたよ。選手はみんな気さくに話してくれたね。

多田:なるほど。本大会だけが応援ではないんですね。

I.Y:あ,南アの時は,現地の人たちに日本を応援してもらいたくて,自分たちで応援用のTシャツをかなり作って行ったな(笑)

多田:応援を増やしたんですね(笑)。南アフリカという国はどうでしたか??

I.Y:治安が悪いとは聞いていたけど,昼間は思ったほどではなかった。日が暮れた瞬間に街から人がいなくなって,「ヤバイ」と思った(笑)黒人のガイドが付いてたんだけど,その人が街を案内してくれるって言ってくれたから,連れて行ってもらったら,その瞬間強盗集団に襲われて,鞄も財布も全部持っていかれたんだ。でも,やっぱり警察もケアしていて,一瞬で強盗を押さえ付けて,パトカーのトランクに放り込んで逮捕してた。あれはすごい体験だったな,,(笑)

多田:それはすごい体験でしたね,,他に応援に関して印象的だったことはありますか?

I.Y:これは2005年の話だけど,ドイツワールドカップ予選の時は,北朝鮮戦でワールドカップ行きが決まったんだけど,その試合はタイで,無観客で行われたんだよね。要するに,観客がスタジアムに入れない。その時は,現地でスタジアムの外から太鼓と拡声器,みんなの声で応援したんだ。その様子が新聞でも取り上げられたりしたけど,やっぱり,スタジアムの中に入れなくても,選手と一緒に戦ってるんだ。っていうことを伝えたかったんだよね。

多田:それは僕も記憶に残っています。選手にとってこれほど勇気づけられることはないでしょうね。
では,最後に,来年行なわれるワールドカップについて聞かせて下さい。

I.Y:ここ数年で,日本のサッカーは明らかに進化してると思う。6月の予選で,宿敵のオーストラリアに引き分けということで,勝って出場を決められなかったのは残念だったけど,香川や本田の他にも,柿谷とか新しい選手も出て来てるから,本大会では必ずや爆発してくれると信じてるよ。その為に自分たちも応援し続けるよ。

多田:ありがとうございました。

6.さいごに

 視察の最後には,私たち後藤ゼミの歴史も刻んでいくため,プリクラを撮った。

図12.png

図12 6期生プリクラ

 日本サッカーミュージアムは,サッカーをよく知っている人でも,そうでない人でも,大いに楽しめる場所であった。日本サッカーの歴史・現在に触れることができ,サッカーへの関心がより深まる視察であった。来年の2014年FIFAワールドカップブラジル大会が一層楽しみになった。

 開館前にも関わらず案内してくださった,JFAの津内香さんをはじめ,サッカーミュージアムの職員の皆様,本当にありがとうございました。

参考文献・URL

  • 公益財団法人日本サッカー協会公式サイト http://www.jfa.or.jp/ (2013.11.1 閲覧)
  • 2012FIFAワールドカップ記念日本サッカーミュージアム www.11plus.jp/ (2013.11.2閲覧)
  • 日刊スポーツ www.nikkansports.com/ (2013.11.2閲覧)
  • ENJOY!SPORT www.enjoysport.jp/ (2013.11.2 閲覧)
  • ウルトラス公式ホームページ www.ultrasnippon.jp/ (2013.11.3 閲覧)