自転車ロードレースとドーピング
9組26番 堀内 俊宏
【目的】
自転車ロードレースは1861年にフランスで自転車が発明されるとすぐに始まり、徐々に長距離化していった。1890年頃には現在の形態のレースが始まり、1903年には日刊スポーツ新聞『ル・ヴェロ』と同じく日刊スポーツ新聞『ロト』の熾烈な読者獲得合戦がきっかけとなり、ツール・ド・フランスが初めて開幕した。それ以来、ヨーロッパでは1、2位を争う人気スポーツになる一方でドーピングやスポンサー獲得といった様々な問題を抱えるようになった。本研究では、まず自転車のロードレースを紹介し、そこで起きるドーピングの問題点を明らかにすることを目的とする。
【各章の概要】
第1章 自転車ロードレースの紹介とツール・ド・フランスの歴史
自転車ロードレースは、主に舗装路をロードバイクと呼ばれる自転車で走り、着順や所要時間を競う競技である。基本的に個々の着順を競う競技であるが、チーム内で勝ちを狙うエース選手とそのエース選手を勝たせるためのアシスト選手がおり、アシスト選手は自分が犠牲になり、エース選手を勝たせるために走る。従って各チーム内で、様々な戦略がレース前やレース中に練られ、頭脳戦の様相を呈する。
レースは大きく分けてワンデーレースとステージレースの2種類に分かれる。総距離は約50Kmから300Kmほどである。
ツール・ド・フランスは1903年に代位回大会が開かれ、その後二つの大戦を挟み現在に至っている。
第2章 自転車ロードレースにおけるドーピング
自転車ロードレースでは、その過酷さゆえにドーピング薬物に手を出す選手もいる。主に使われる薬物はエリスロポエチンと呼ばれる赤血球の生成を高める薬物である。
第3章 過去のドーピングで話題となった3人の選手
比較的最近話題となった3選手のドーピングが発覚してからの動きとその内容や使用に至った経緯を紹介した。
【結論】
毎日のように過酷で長距離のレースを続け、常にフレッシュな姿を見せなければならない選手にとって、薬物は不可欠であると述べる選手がなかには存在する。ドーピングを行う選手たちにとっては、ドーピングなしでは選手生活を続けられないと主張する選手も多い。
しかし、ドーピングを行ったことで選手が出場停止処分を受けたり、チームのスポンサーが撤退し、チーム自体が解散という最悪の事態も起こってしまう。自転車界はそういったドーピング問題から目をそらすことなくその解決に向けて努力するべきである。
【主要参考文献】
・栗村修(2010) 『イラストでわかる! ロードレースの秘密』
・Brian Hainline(1994)『スポーツと薬物』
・平嶋邦猛(2006)『エリスロポエチンのすべて』