バスケットボールのルールの変遷

1組13番 木瀬 圭太

【序論(目的)】

 私は小学校から現在もバスケットボールを続けてきており、バスケットボールのルールについてずっと興味を持っていた。その中で、私がプレーしていて、細かいルールから、大きなルールまでかなりの頻度でルールが変わってきた。その影響を受けながら私は、ルールが変わったことではなく、何故ルールが変わっていったかということに興味を持ち始めた。バスケットボールはゴールが決まった後でも審判がプレーを止めないスポーツであり、流れるようなスピード感を特徴としている。そのバスケットボールのルールの変遷の理由や、選手たちに与える影響を検討したい。

【各章の概要】

第1章 バスケットボールの起源と歴史
 バスケットボールという競技はカナダ人のジェームズ・ネイスミス(James Naismith)により考案され、初めはYMCA訓練学校の体育の冬季室内用教材に使用する目的で考えられた。ネイスミスは競技を始めるにあたって「13カ条ルール」というバスケットボールの基本原則を考え出した。ラグビーとサッカーの要素を織り交ぜたような競技は最初乱暴や体の接触が非常に激しいプレーが数多く発生したことや、その基準がはっきりしていなかったことから様々な改変が行われ、現在のバスケットボールプレーの大元となる、ドリブルやピボットなどの概念が生まれた。

第2章 バスケットボールの組織と近年のルール変更
 世界的にバスケットボール界を統括している、国際バスケットボール連盟(FIBA)は元々「国際アマチュアバスケットボール連盟」として発足し、原加盟国は8カ国であった。1989年にはオリンピックを始めとする国際大会にプロ選手の出場が解禁されると、名称を「国際バスケットボール連盟」に改称された。日本のバスケットボール界を統括する団体として、財団法人日本バスケットボール協会(JBA)が存在し、日本代表の選手選考や育成、日本国内の大会運営を行っている。その他に、JBAの傘下団体として存在する日本最高峰のリーグである日本バスケットボールリーグ(JBL)や、エンターテインメントあるプレーを魅せることで日本のバスケットボール界を活性化させようと目的で設立された日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)が存在する。そして2000年代になるとより細かなルールの変更が行われるようになった。

第3章 アメリカ合衆国のバスケットボールの組織
 アメリカ合衆国には国内バスケットボール界全体を統括する団体がなく、国際大会に参加するナショナルチームの編成のみ行うUSAバスケットボールと呼ばれる団体が存在する。そしてアメリカのプロバスケットボール組織であり、世界最高峰のリーグと呼ばれるNBA(National Basketball Association)が存在する。そこにはFIBAが定めるルールとは異なるNBA独自のルールが存在している。

【結論】

 時代背景にそってバスケットボールのルールは目的が変化していっている。近年では、観客に見せるルールへと変遷し、商業主義化により利潤追求を目的とした広告・宣伝の競争手段として扱われ、特に「見るスポーツ」としての機能性が求められている。国際大会で商業資本が取り入れられるようになり、そのためルールも対応せざるを得なくなっている。この先もスポーツルールにおいて新たな理念が生まれてくることを期待したい。

【主要参考文献】

1.『バスケットボール誕生までの経緯と最初のルールについて』 大山信行 富山大学人間発達科学部紀要 2010年 pp.97-101
2.『バスケットボールにおけるルール変更に伴う現状と課題』 清水利佳 鈴鹿国際大学紀要 2009年 pp.65-71、p.75