Paul blakey(2011)“Sport marketing”全訳

28組25番 中村 祐太

【目的】

 本研究では「スポーツマーケティング」への理解を深める。一概にマーケティングと言っても、その捉え方は様々である。更にその定義も多様で、学問としての観点からすると至極曖昧なものである。本研究は、その中でもスポーツという分野に的を絞った「スポーツマーケティング」に焦点を当て、スポーツ企業・組織がマーケティングする際の戦略や戦術などを明らかにする。スポーツマーケティングと言う曖昧な学問を細分化し、その一つひとつを学問的に見ていくことで、最終的にスポーツマーケティングとは何か、延いてはマーケティングとは何かと言うことを、翻訳を通して紐解いていく。

【各章の概要】

1章 〈スポーツマーケティングの紹介〉− 定義の落とし込みと、大局観でのマーケティング
2章 〈スポーツマーケティングの調査〉− 分析、計画、実行、管理の4段階の提示
3章 〈消費者〉− カスタマー分析と、消費者の行動の理解
4章 〈マーケティング計画〉− 戦略と戦術の策定
5章 〈製品〉− 製品・サービスのコンセプトと、ブランディング
6章 〈価格〉− 価格の重要性の考察と、価格戦術
7章 〈ISMC(Integrated Sport Marketing Communication)〉− スポーツプロモーションの把握
8章 〈スポンサー〉– スポンサーのマネジメントと、アンブッシュマーケティング
9章 〈PR〉– スポーツ産業におけるPRの説明と、ツールとしてのPRの明確化
10章 〈メディア〉– メディアの技術的発展と、ソーシャルメディアの台頭
11章 〈流通〉– 流通機能とコンセプトの把握
12章 〈マーケティングの実行と管理〉– 実行と管理のフェーズでのスポーツマーケティング
13章 〈マーケティング計画の企画〉− 実践的なマーケティング計画の構築

【結論】

 マーケティングは、幾つかのプロセスから成る、目的達成の為のツールである。それは、戦略と戦術と言う二つの項目から成っている。また、製品・価格・流通・PRなどの様々なマーケティングミックスを用いて、最大限の効果を上げることを追求する。そこには順序が存在する。まずは、今自分が置かれている環境を知る。その中で、何が求められているかを探求し、それに対する解決策を計画、実行する。実行中、或いは実行後は、綿密な管理・監視を怠らず、次の計画・実行段階へと継承する。
 つまり、目的達成の為の仕組みを作るのがマーケティングである。そこに正解は存在しない。と言うことは、裏を返せばどんな方法でも成功すれば、それはマーケティングなのである。学問的なプロセスは存在するが、枠に捉われない新しいプロセスもまた、マーケティングである。