箱根駅伝走破

政治学科 9組3番 新 涼太

【序論(目的)】

 私は毎年お正月に箱根駅伝を見ている。大学の名を背負い、襷を仲間に繋ぐために熱くなる姿に、毎年勇気をもらっている。そこで、高校まで陸上競技に全力になっていた身として、箱根駅伝を体感してみたいと思うようになった。高層ビル群からスタートを切り、湘南の海、そして箱根の山。このような、箱根駅伝の過酷なコースを実際に体感することで、地形や気候状況が走者にとってどのような影響をあたえるのか、論文として残すことを本研究の目的意義とする。

【各章の概要】

第1章 走破への計画
 箱根駅伝のコースは東京都千代田区大手町・読売新聞旧東京本社前から、鶴見、戸塚、平塚、小田原の各中継所を経て神奈川県足柄下郡箱根町・芦ノ湖までの往復で、往路108km、復路109.9km、計217.9kmである。

第2章 走破レポート
 1区から10区まで第1節から第10節で構成する。実際に走り、事前に調べたチェックポイントや、走ったことで気づいた地形や気候状況を、写真を交えてここで論ずる。

【結論】

 箱根駅伝単独走破に望んだことで、見るだけでは分からない、箱根駅伝走者の気持ちに近づくことができた。本研究を通して見出すことができた、箱根駅伝走者へもたらされるだろう影響を、ここでまとめることで、本研究の結論とする。箱根駅伝が過酷である所以は、3つある。
 一つ目は、コースがコンクリートであるということだ。1区間20㎞以上あるコースを走るということはただでさえハードであるのに、地面の硬さが、かなり脚へ負担をかける。薄いソールの靴で、1㎞を約3分という速さで走る、箱根駅伝走者への脚への負担は凄まじいものであると思う。それゆえ、トラックの競技に比べ、練習の段階から、体の調整や管理には敏感にならなければいけないだろう。
 二つ目は、公道であるがための地形の変化である。名所として取り上げられているところは勿論、そうでないところも多くのアップダウンが存在した。例えば2区では、権太坂を過ぎた後の、戸塚中継所の手前に急な坂が存在した。6区は山下りとして知られているが、前半の約4㎞は上り坂で脈が上がる道のりであった。3区8区の遊行寺の先と手前に位置する道路は意外と大きなアップダウンが存在した。このように、名所として紹介されている所以外にも、走者にとって辛いコースは多く存在した。応援に力を入れたりすべきところは、名所ばかりではない。
 三つ目は、全コース217.9㎞という距離の長さである。実際に走ることで、距離の長さを改めて実感した。長いが故、一人一人の走りが大きく順番を左右する。一人10秒縮めることで全区間100秒にもなるのだ。一人の頑張りが大きく影響してくるため、箱根駅伝には凄まじい争いとドラマが生まれるのだろう。皆の想いが詰まった襷を託され、険しい道のりを走らなければいけない走者へのプレッシャーは大きなものだと感じた。
 本研究を通して、箱根駅伝をより身近なものに感じるようになったと共に、大きな達成感を得られることができた。これからは今までとは違う視点で、箱根駅伝を応援していこうと思う。走者が辛いところやスパートをかけたいところなど走者の気持ちを理解し、来年応援できることが楽しみである。

【主要参考文献】

「箱根駅伝を10倍おもしろく見る本」 日本テレビ駅伝プロジェクトチーム 株式会社講談社 1994年12月15日