明治大学体育会ラグビー部の歴史

経済学科 13組 33番 筆谷 優樹

【序論(目的)】

 明治大学体育会ラグビー部の歴史に触れる。今では伝統校として大学ラグビーを盛り上げる存在であるが、そこに辿り着くまでには、どのような軌跡であったのか興味を持ったため研究しようと考えた。また、この研究することによって伝統の重みをより一層感じ取り、大学日本一になる為の手段として本研究を進めていく。明大ラグビー部は、大学ラグビー界では創部90周年を誇る伝統校と言われている。築き上げてきた伝統の核心に迫ると共に、なぜ栄光から衰退していったのか、復活するためには何が必要であるかを本研究で明らかにしたい。

【各章の概要】

第1章 明治大学体育会ラグビー部の誕生
 第1章では、明大ラグビー部誕生から強豪校になるまでの軌跡を追っている。明大ラグビー部の「前へ」の基盤を見ることができる。
第2章 戦争の苦難から復活へ
 第2章では、戦後の厳しい環境から立て直し、大学日本一になるまでの軌跡を追っている。伝説の試合といわれている「雪の早明戦」などの歴史も見ることができる。

【結論】

 明大ラグビー部は、創部から今迄でラグビー界に輝かしい記録と記憶を残してきた。その大きな原動力となったのは、間違いなく北島忠治というひとりの偉大なラガーマンであろう。1929年から95歳でこの世を去るその日まで、67年もの間ラグビー部の監督を務め続けた北島監督の人生は、明大ラグビー部と一緒に語られる存在である。 “重量フォワード”と呼ばれる、豪快でパワフルな突進をもち味とした明大ラグビー部を確立した彼の信念は、「前へ」である。北島ラグビーを一言に凝縮した言葉である。相手ゴールに最短距離で行くには「横へ」ではなく「前へ」である。それがいまでも受け継がれている、北島監督が作った「重戦車明治」のラグビーである。ボールを持ったら躊躇せず、自分の判断に従い、逃げたりためらったりしなければ失敗しても構わない。それらが「前へ」を支える大原則となっている。この大原則は、決してラグビーだけのものではない。北島監督は、人間としての生き方をラグビーを通して選手たちに教えた、“心の”教育者でもある。「前へ」を貫くには、「フェアプレーの精神」が大切だと北島監督は説く。まず「心」を中心に据えて、それから「技」・「体」を鍛える。だから勝つということは心の勝利であり、勝ち方も心から正しくなければならない。ラグビーでいえば、レフェリーがジャッジするのではなく、自分がルールを守るというものである。勝つだけが目的なら、レフェリーが見ていないところでいくらでもルールの裏はかける。そういうことを許さないのが北島イズムである。それは社会でも同じである。会社など組織に属せば必ずルールは存在する。ルールを外れたところでの成功は、北島イズムでは成功と呼ばない。部員が100人いる中で、試合に出場出来る選手であれば、その試合に全力を尽くしてほしい。そして試合に出るチャンスがない者は如何にしたら試合に出られるのか、明治のラグビーであれ、他のラグビーであれ、勝とうというラグビーの集団であることに変わりはない。重要なのは勝利の瞬間まで部員1人1人がどれだけ歯を食いしばって頑張るかが重要である。この北島イズムを継承した明大ラグビー部は大学王座奪還を目指し、「前へ」いくのみである。

【主要参考文献】

1、北島忠治(1988)「明治大学体育会ラグビー部史」
2、中西吉永(1996)「遥かなるノーサイド ”前へ”を貫いたラグビー人生の軌跡」
3、ベースボールマガジン(1989)「ラグビー早明戦80年」