明治大学体育会ラグビー部の歴史

経済学科 27組10番 牛原 寛章

【序論(目的)】

 明治大学体育会ラグビー部の歴史に触れる。今では伝統校として大学ラグビーを盛り上げる存在であるが、そこに辿り着くまでには、どのような軌跡であったのか興味を持ったため研究しようと考えた。また、この研究することによって伝統の重みをより一層感じ取り、大学日本一になる為の手段として本研究を進めていく。明大ラグビー部は、大学ラグビー界では創部90周年を誇る伝統校と言われている。築き上げてきた伝統の核心に迫ると共に、なぜ栄光から衰退していったのか、復活するためには何が必要であるかを本研究で明らかにしたい。

【各章の概要】

第1章 明治大学体育会ラグビー部の誕生

 第1章では、明大ラグビー部誕生から強豪校になるまでの軌跡を追っている。明大ラグビー部の「前へ」の基盤を見ることができる。


第2章 戦争の苦難から復活へ

 第2章では、戦後の厳しい環境から立ち直して、大学日本一になるまでの軌跡を追っている。日本選手権で初の日本一や伝統の試合と言われている「雪の早明戦」などの歴史も見ることができる。

【結論】

 明大ラグビー部は、創部以来、常に日本のラグビー界を牽引してきた。多くの優秀なプレーヤーがいたことはもちろんだが、もっとも大きな要因は北島忠治という一人の名監督がいたことに他ならない。北島は死ぬまで67年間明治大学ラグビー部の監督を勤めた。ラグビーのみならず人間の成長を重視するスタイルは北島イズムと呼ばれた。北島イズムの中でも最も有名な言葉が「前へ」である。相手のゴールに近づくためには、前へ進まなければならないが、ラグビーはルール上ボールを後ろにしか投げることができない。そのような中で少しでもゴールに近づく付くためにはボールを持った選手が強靭な体格とスピードで相手の守備を切り裂かなければならない。どんなに強そうな相手が正面から守備をしにきても、横に逃げることは許さなかった。
 ラグビーとしての解釈だけではなく、人生論としても使える言葉である。北島は、人生において常に前へ進むためにはフェアプレーの精神が大切だと説く。これから社会人になる私は、社会人こそ前への精神、フェアプレーの精神が生きると考える。これらの精神を貫くためには、思考の中心に良心をおかなければならない。技術は後からでもついてくるが、核となる心が良くなければ全てがダメになる。会社などの組織に属せば必ず規則が存在するが、これを破って得た成功を、北島イズムでは成功とは呼ばない。社会に出れば、多くの邪念が行く手を阻むことになるだろう。しかし、簡単に横へと逃げるのではなく、私は常に前進する生き方を選択し、誰もが認める「前へ」の体現者になりたい。
 また、明大ラグビー部がかつての栄光を取り戻すためには、96人の部員全員が北島イズムを再認識する必要がある。帝京大学にはない、かつて名将の教えを現代のラグビーに取り組むことで、今年こそ王座を奪還しなければならない。

【主要参考文献】

北島忠治(1988)「明治大学体育会ラグビー部史」