東京マラソンから見るマラソンブームの広がりと今後の展望
政治学科 8組16番 成田 翔平
【序論】
健康志向の高まりなどを背景に、空前のランニングブームが続いている。東京マラソンをはじめとしたマラソンイベントが全国各地で開催されており、また最近では「おしゃれに美しく走りたい」というニーズに応えようと、スポーツブランド各社はファッション性を追求したウェアやシューズを次々と投入している。本論文では、そのようなブームがなぜ起こったのかという点において、東京マラソンの歴史や魅力等に関連させながら学び、マラソン大会開催が増えている背景や近年のマラソンブームの特徴、関連市場をめぐる企業動向、経営戦略についても研究し、今後の展望について考えることを目的にこの論文を進めていく。
【各章の概要】
第1章 市民マラソンの台頭
日本と海外という2つの視点から市民マラソンの歴史を紐解いていき、どのようにして現代のマラソンブームに繋がっているのかということについて論じている。
第2章 東京マラソン2007の実現
「東京」という大都市においてマラソン大会が行なわれるようになったきっかけや、東京マラソン開催にあたっての様々な課題等をあげ、開催までの困難な道のりについて述べられている。
第3章 東京マラソン2007を終えて
東京マラソン成功の要因や、様々な方々の協力があってこそ東京マラソンが成功したというエピソードについて述べている。
第4章 マラソンブームの今後
マラソンブームが今後発展していくことと共に浮かび上がってきた問題点について触れ、その問題点をもとに今後の課題を見出していく。また、関連市場への影響についても述べ、様々な市場に大きな影響を与えていることを明らかにしている。
【結論】
2007年に開催された東京マラソンの成功により、マラソンブーム再来の火付け役となり、また日本独自の新たなマラソンブームが形成されつつある。市民マラソンの歴史はまだそれほど深くはなく、現代の市民ランナーがこれからの日本の市民マラソンの歴史を創っていくのであろう。マラソン大会を開くことによって、大きな経済効果があるということを述べたが、ランニングを始める人が増えるだけで関連市場にも大きな影響を与えるということが本研究において明らかにすることができた。ブームのために好調な市場であるため、今後も新たな参入企業の台頭により競走は激しくなってくるだろう。2020年の夏季オリンピックの開催都市が東京に決定し、日本国民はこれまで以上にスポーツに対しての期待と熱意を抱いている。東京マラソンの開催が大都市においてスポーツイベントを開くことができるという運営能力を示すこととなったが、2020年のオリンピックにおいてその力が発揮されなければ何の意味もない。スポーツには人に感動、勇気、希望を与える力がある。今後のマラソンブームの継続とスポーツ界の発展、そして2020年東京オリンピックの成功が日本、そして世界を元気づける活力となることを私自身も一国民として期待したい。
【主要参考文献】
・東京マラソン 遠藤雅彦 2008年2月
・ファンランへの招待 もっと楽しい走り方 衿野未矢 2009年4月