女子プロ野球の歴史と課題 ~女子野球のコーチを経て~

経済学科 30組29番 堀内 祐樹

【序論(目的)】

 近年の日本ではスポーツへの関心が非常に高まっている。その中でも特に女性のスポーツ界への進出は著しいものがある。サッカーのなでしこJAPAN、フィギュアスケート、レスリング、柔道等の女子スポーツ選手の活躍がめざましい。そんな中で女子野球というものは取り上げられてこない。プロ野球のWBC(ワールドベースボールクラシック)などでは、日本においても大きく取り上げられているにも関わらずなぜだろうか。私は幼いころから野球をやっていたので、このことに非常に興味を持ち、今回これを卒業論文のテーマとすることにした。本研究では、女子野球の現状を理解し、現在どのような問題が存在しているのか明らかにしていきたいと考える。

【各章の概要】

第1章 女子野球の歴史
 第1章では女子野球の誕生について日本の場合とアメリカの場合に触れる。また、成立していった女子野球がなぜ衰退してしまったかについて述べている。

第2章 現代の女子野球
 第2章ではJWBLや現在日本に存在しているJWBLの女子プロ野球チームについて触れ、女子野球日本代表の過去の大会成績を載せている。また過去に明治大学に存在した女子野球選手について述べている。

第3章 現代の女子野球の問題点
 第3章ではまず高校野球連盟の女子野球選手に関する意見・立場を述べている。また私がコーチを行っていた早稲田の女子野球チームに対して行ったアンケート結果を載せてある。日本においての女子野球のメディアへの露出の低さや学校教育における女子野球について述べている。

【結論】

 技術的な面では男子のプロ野球とは比べ物にもならず、身体能力の差も顕著なものだろう。今の女子プロ野球がスポーツとして根付くためには、男子のプロ野球を目指すのではなく、女子プロ野球という新しいジャンルを目指すべきではないだろうか。具体的には、過去に高校野球で存在した甲子園のラッキーゾーンの導入により、野球の魅力であるホームランを出やすくすること、派手さはなくてもバントや盗塁などの小技を多くからめること、守備力の向上などがあげられる。またイニング間の攻守交代を全力疾走でするなど、プロらしからぬことを進んですることで女子プロ野球が確立していくと思う。多くのスポーツが男女ともにあるのに対し、野球が男子だけのスポーツと思われる中、女子のプロ野球が出来たことは大きな進歩である。将来、女子プロ野球が人気を博し、全国にチームが出来るようになったとき、その時始めて女子野球の成立と言えるのではないだろうか。