空手の発展とWKFの活動

経済学科 31組11番 久保田 隼哉

【序論(目的)】

 今日世界での競技人口が5000万人とも6000万人とも言われている空手が、なぜオリンピック種目に採用されないのか。2020年東京オリンピックでも採用されず、空手界は少なからず落胆している。そこで本研究では、WKFの歴史や発展を探り、他の競技と空手を比較していくことで、オリンピック種目となる条件を明らかにしていく。また中学校保健体育の武道必修化に伴う教育における空手等、空手の将来という視点からも研究を進め、空手への理解を深めたい。

【各章の概要】

第1章 空手の近年史
 空手の歴史は浅く、発祥の地である沖縄で一般的に広まったのは1900年を過ぎてからである。空手の競技化には反対意見が多く、実現したのは1957年の「第一回全日本学生空手道選手権大会」が最初である。世界空手道連盟(WKF)が現在の形となったのは1993年と最近である。

第2章 オリンピック種目に向けて
 現在WKFの1番の目標は空手のオリンピック種目採用である。しかし2020年オリンピックの種目からは落選してしまった。採用に向けWKFは日本でのエスピノス会長の会見でメディアにアピールしたり、組手をよりわかりやすく迫力のあるものにしようとルール改訂を行なっている。しかし他の競技と比較すると、さらなる工夫やロビー活動が必要であるとわかる。

第3章 空手の将来
 平成24年度より中学校で武道が必修化され、全国で182校が空手を実施している。空手を行なう利点は多数あると考えられる。空手の発展には関係者全体が武道としての空手とスポーツとしての空手のどちらも理解し、共有していかなければならない。

【結論】

 年々競技人口は増加し空手はこれからも発展していくだろう。しかしオリンピック種目採用に向けての課題はまだ多数ある。「人間形成」という武道の本質、空手道の伝統、それを培ってきた文化を残しつつ、空手をもっと魅力あるものにしていかなければならない。そして空手をもっと世間に認識してもらうことが重要である。空手発祥の地である日本が先頭に立ち、ロビー活動、アピール活動を行ってほしいと思う。

【主要参考文献・URL】

・外間哲弘 『空手道歴史年表』 沖縄図書センター(2001年)
・世界空手道連盟HP www.wkf.net
・日本武道協議会HP http://www.nipponbudokan.or.jp/index.html
・公益財団法人 日本オリンピック委員会HP http://www.joc.or.jp/