スポーツメーカーの社会的責任に関する一考察

~ミズノの環境保全に着目して~

24組15番 佐久間 享良

【目的】

 産業革命により先進国の人々の生活は便利になったが、一方、温暖化や大気汚染などの環境問題が増えた。そのようなことから現在世界で環境保護というものが重要視されるようになった。日本においても、鳩山首相が2020年までに1990年比で25%のCO2削減という目標を表明し、民主党のマニフェスト(政権公約)ではガソリン税と軽油引取税を一本化する「地球温暖化対策税(仮称)」について明記している。
 スポーツの世界においても、環境問題は無関係ではない。例えば、大気汚染や水質汚濁が進行するとマラソンやボートなどといった様々なスポーツが影響を受けてしまう。また、ゴルフ場やスキー場を造るために森林を伐採したりすることが、自然環境の悪化を促進させる原因となる。
 そのようなこともあり、スポーツ界も環境問題について真剣に取り組んでいかなければならなくなってきた。そうした中で、まず、スポーツ界が抱える環境問題の歴史と現状について理解したうえで、スポーツメーカーが、どのような環境保全活動を行っているのかということを明らかにする。これらの作業によって、スポーツメーカーが環境問題について、どのように考え、解決していこうとしているのかを理解することを目的とする。

【各章の概要】

第一章 スポーツと環境
 環境問題に対する社会的な流れは、スポーツにおけるのと連動している。1950~60年代の高度経済成長から公害が顕著となった。環境破壊への懸念が国際社会で認識され、1972年に、スウェーデンで国連人間環境会議が開かれた。
 スポーツ界もスキー場、ゴルフ場開発などで環境破壊に一役買っていた。しかし、環境問題が進行すると、スポーツのしにくい環境となってしまう。そのためIOCは環境を三本柱の一つとした。そして、五輪では、様々な取り組みがなされるようになっていった。

第二章 スポーツメーカー(ミズノ)における社会的責任
 CSRは均衡化が進んだ現代において、売上を決める一つの要素である。しかし、短期的な期間では、分析しても売上との関係性はあまり見出すことができなかった。このことからCSRは、長期的に取り組まないとならないものであることがわかった。
 ミズノは、環境問題について、スポーツメーカーでいち早く取り組んだ。そしてほとんどの項目で、年々改善している。

【結論】

 環境問題は短期的な取り組みでは効果の見えないものである。ミズノは、CSRの考えが日本に導入される以前から取り組み効果を上げてきた。
 しかし、まだ環境問題は進行している。国・企業・個人が協力して積極的に取り組んでいかなければならないものである。

【主な資料】

・ミズノホームページ
(http://www.mizuno.co.jp/)
・「スポーツと環境の世紀」体育施設出版
・「スポーツと環境問題の社会的背景」熊谷桂子 人間・エイジング・社会編集委員会