「日本サッカーミュージアム」視察報告書
報告者:板倉彩乃・坂梨憲二・菅原徹・中村祐太・丹羽由里加(第3期生)
視察日:2010年6月10日(木)
2010年6月10日、「日本サッカーミュージアム」へ見学に行ってきた。天候もよく、そしてW杯開催間近という時期に訪問することができ、とても有意義であった。
「日本サッカーミュージアム」は、JR御茶ノ水駅を出て徒歩6分、東京都文京区のサッカー通り沿いに位置している。この付近では日本代表カラーの青が所々目に入り、視覚でも日本のサッカーの雰囲気を感じることができる。
図1 日本サッカーミュージアム外観
歴史と伝統を誇る日本サッカー。1921(大正10)年の日本サッカー協会(当時大日本蹴球協会)創設以降、数々の名勝負と感動的なドラマがその歴史に刻まれてきた。
「日本サッカーミュージアム」には、その日本サッカーの歴史を彩る品や貴重な資料、そして今日の日本サッカーの礎を築いた先駆者たちの功績などが数多く展示されている。また、アジア初の日韓共同開催となった2002年のW杯を彷彿とさせる感動的なシーンも必見であり、大会の感動と歓喜、スケール感といった、サッカーの醍醐味を味わうことができる。
過去から現在、そして未来へ。「日本サッカーミュージアム」はその有形・無形の財産を継承し、日本サッカーの未来を創造するもう一つの舞台であると言える。
入り口を通り抜け少し奥へ進むと、さながら博物館のような日本サッカー殿堂の空間が広がっている。ここには、数々のドラマと栄光をその歴史に刻んできた偉大な先駆者たちの軌跡が残されている。日本サッカーの発展に大きく貢献した彼らを永久に称えるため、2005年5月に「日本サッカー殿堂」がオープンされた。現在の日本サッカーの繁栄は、殿堂入りした49人をはじめ、多くの人々の勇気と情熱、たゆまぬ努力によって築かれたものなのである。その中には、日本を代表するストライカー、釜本邦茂や明治大学出身の杉山隆一などなど、偉大な選手たちの顔ぶれがそろっている。
図2 日本サッカー殿堂
日本サッカー殿堂の見学後は、地下2階の「ピッチ」と呼ばれる有料フロアの見学をした。入場券は、2002年のW杯の日本vsロシアのチケットのレプリカであった。入場ゲートで、記念品として青いタオルをもらった。そのタオルには『私達に力をください』と岡田監督の言葉が書いてあった。
図3 記念品のタオル
入場ゲートを通り抜け、地下2階に続くらせん階段を降りると、まず目に飛び込んでくるのが、選手たちの円陣である。これは2002年の日韓共同開催となったW杯の日本代表チームの選手たちである。各選手の顔の表情や小道具など、細部もしっかりとこだわった作りになっていた。その円陣に入ってみることにしよう。
図4 宮本選手の隣で記念撮影をする望月敬太(左)
図5 日本代表と円陣を組む後藤先生(右)
図6 円陣の中に入り選手に威圧される太田集
円陣に圧倒された後、次に進むと見えてくるのが選手のロッカールームを再現したエリアである。ここには、あのフェイスマスクが印象的であった宮本恒靖、ヒデの愛称で親しまれ常に中心選手でありつづけた中田英寿、現在も日本代表選手として活躍をしている稲本潤一といった、2002年W杯の日本代表選手のユニフォームやスパイクが飾ってあった。
図7 宮本恒靖のスパイク(左)
図8 中田英寿のスパイク(右)
図9 宮本恒靖のユニフォーム
選手たちのロッカールームを抜けると次に見えてくるのが、フェアプレー旗である。
『For the Good of the Game』
- 1.勝利を目指してプレーすること
- 2.フェアにプレーすること
- 3.ルールを遵守すること
- 4.相手チーム、チームメイト、レフリー、関係者、そして観客に敬意を払うこと
- 5.威厳を持ち、敗北を受け入れること
- 6.サッカーの興味・関心が高まるように努力すること
- 7.汚職、ドラッグ、人種差別、暴力、その他サッカーを危険にさらすものを拒むこと
- 8.プレッシャーに押しつぶされそうな人を助けること
- 9.サッカーを傷つけようとする人を糾弾すること
- 10.サッカーの伝統を守り、振興に貢献する人を賞賛すること
選手たちは、このフェアプレー旗を先頭に、ピッチへと向かうのである。
フェアプレーエリアを抜け次のエリアへ向かうと、1968年メキシコ五輪のサッカー日本代表選手、八重樫茂生が履いていたシューズとレガースが展示されていた。この大会で、それまで弱小と呼ばれていた日本が銅メダル獲得するという快挙を成し遂げる。シューズ自体の性能は、現代とは較べ物にならないだろう。しかしこのシューズが日本のメダル獲得に見えないところで貢献していたのかもしれない。
現在、日本代表選手はバラバラのスパイクを履いているが、U-18などのアンダーカテゴリーでは全員、日本代表が契約しているアディダス社のスパイクを履いているようだ。
図10 八重樫茂生のシューズとレガース
最後のエリアにトロフィールームがあり、そこで集合写真を撮った。トロフィーを触りながら「レプリカでもいいから一回触りたかった」と言う人もいて、みんな少し興奮気味であった。
さて、6月11日から南アフリカで開催される第19回W杯だが、今年このトロフィーを手にするのはどこの国なのだろうか。ブラジル・ドイツ・イングランド・アルゼンチン・イタリア・スペインなど、どこが優勝してもおかしくない。そんな中、日本の初戦は強豪カメルーン。厳しい戦いになるとは思うが、ぜひ日本の底力を見せてほしい。明治大学の誇れる先輩、長友佑都選手も頑張っているので、私たちも一生懸命応援していきたいと思う。
そして最後に、館内にプリクラ機があったので「がんばれニッポン!」という思いを込めて、みんなでプリクラを撮った。
図11 レプリカのトロフィーの前での記念撮影
まとめ
南アフリカでW杯が始まるという絶妙な時期に、このような施設に見学に行くことができて非常に良い体験になった。日本サッカーの歴史を、文献や展示品から学ぶことができ、また2002年の日韓共同開催のW杯の感動をもう一度味わうこともできた。今日の日本サッカーは長い歴史と過去の英雄の努力に支えられていることを改めて感じた。
「日本サッカーミュージアム」、機会があれば一度足を運んでみてはどうでしょうか。館内のどこかに私たちのプリクラも隠されていますから・・・
図12 2010年6月10日 日本サッカーミュージアムにて(後藤ゼミナール3期生)
最後になりましたが、平日は午後から開館のところを、午前中から見学できるよう便宜を図ってくださった、津内香さんをはじめとする「日本サッカーミュージアム」スタッフの皆様に、心から感謝します。ブログにも掲載していただきよい思い出となりました。