理想の身体をつくる為の筋力トレーニング

地域行政学科 12組 29番 古屋 貴弘

【序論(目的)】

 近年では、科学的な方法で効果的にトレーニングを行う事も可能となっている。本研究では筋力トレーニング発祥から現代のトレーニング方法への変遷、また、どのようなトレーニングを行う事が最も効果的なのかを考察する。そして、そこからみる理想の身体をつくる為のトレーニング方法を見出すことを目的とする。

【各章の概要】

第1章 筋力トレーニングの歴史
 筋力トレーニングは人間の歴史と同じくらい長い歴史を持っている。今日と違って機械が無かった時代を見てみれば、労働が筋力を酷使してのみなされるタイプのものであったに違いない。生活を通じて自然に筋力が強くなっていったのである。その後、現代でいうダンベルを使ったエクササイズが普及し、主にウエイトリフティングのトレーニングに取り入れられていった。これを先駆けに、筋肥大や筋持久力、パワー(力×スピード)、全身持久力等それぞれに有効なトレーニング方法が発祥した。

第2章 筋力トレーニング方法と考え方
 筋力トレーニングと一言に言っても、ただ重いものを持ち上げることができればよいということではない。筋肉の性質を知ることや、自分の筋繊維の割合を知ることは重要な要素である。トレーニング強度と回数を変えることで期待できるトレーニング効果も異なるのである。自分にあった目的を明確にし、トレーニング方法やトレーニングプログラムを作成することが望ましい。特に、それぞれのスポーツの特異性によって必要な筋力が異なるため、闇雲にトレーニングを行ったとしても効果が上がるどころか逆効果になることもある。よって、ただただ重いものを持ち上げるのではなく、科学的にトレーニングを行うことはトレーニング効果を高めると共に効率的にトレーニングを行うことができるのである。また、筋肉の成長にはトレーニングをするだけによらず、休息と栄養を合わせた三本柱が重要である。筋肉は壊れて回復するたびに成長するものであって、トレーニングで筋肉を壊し、休息、栄養の摂取によって筋肉を回復させ大きくしていくという流れを理解しておかなければならない。

【結論】

 自分がどの筋肉を鍛えたいのか、どのようなパフォーマンスを強化したいのか、まずは自分を知ることから始まる。それによってトレーニングプログラムを作成し、正しいフォームで行うことが重要である。筋肉の成長は決して短期間で得られるものではない。少なくとも3カ月以降に効果を出すのが一般的で、継続的にトレーニングに取り組まなければならない。また、少し視点を変えてみると、近年では運動不足による病気や障害、子どもの運動能力の低下などが問題視されている。これは世の中が便利になりすぎた弊害ではないだろうか。世の中が便利になるにつれて人間の筋力や動作は減少していった。ウエイト・トレーニングはスポーツ選手や趣味で行うものだと思われがちであるが、体調管理や健康の維持増進のためにも誰もが取り組むべきものである。便利な世の中に生きる我々だからこそ、身体を健康に保ち、人間としての活動を有意義に行える身体であるべきである。つまりウエイト・トレーニングというのは、スポーツ選手のためだけに行われるのではなく、人間にとって必要なものなのである。その為に自分を知り、目的を明確にしてトレーニングを行うことで理想の身体をつくり、生活を豊かにする事が可能になる。

【主要参考文献】

・窪田登「筋力トレーニング法100年史」体育とスポーツ出版社 2007年3月  
・森永製菓株式会社健康事業部「ウイダー・フィットネス・バイブル」森永スポーツ&フィットネスリサーチセンター 2002年7月