スポーツとメンタル
-スポーツ心理学の歴史、メンタルトレーニングの方法-

経済学科 24組2番 石井 友梨

【序論(目的)】

 今日数多くの若いスポーツ選手が世界で活躍している。私と同世代にも関わらず、大勢の観客の視線やメディアからのプレッシャーにも負けず最高の演技や優勝を勝ち取る精神力に圧倒させられる。そして、そのメンタルの強さはどのように形成されたのかに興味を持った。そこで本研究では、スポーツ心理学の歴史やメンタルトレーニングの基礎方法、種目別の方法、またメンタルトレーニングがもたらす効果を研究することで、メンタルトレーニングの必要性を明らかにすることを目的とする。

【各章の概要】

第1章 スポーツ心理学の歴史
 スポーツ心理学の歴史は各国ごとにまちまちで、19世紀末にはすでにスタートしているところもあれば、最近になってようやく発展したところもあり複雑な様相を呈している。第1章では、特に早くから発足した日本、ドイツ、ロシア、アメリカのスポーツ心理学の発足から発展について述べる。

第2章 メンタルトレーニングの方法
 日本のスポーツ界はこれまで、「精神力は技術・体力のトレーニングの中で自然に養われるもの」とする「伝統的な考え方」や「根性さえあれば、技術や肉体的不利を克服できる」という「根性主義の考え方」を持っていた。しかし、メンタルトレーニングとは精神力を鍛えたり、根性をつけるという意味ではなく、「スポーツ選手や指導者が競技力向上のために必要な心理的スキルを獲得し、実際に活用できるようになることを目的とする、心理学やスポーツ心理学の理論と技法に基づく計画的で教育的な活動」であるとされている。
 またこの章では、いくつかのメンタルトレーニングの方法や競技種目別のメンタルトレーニングの方法に触れる。

第3章 スポーツメンタルトレーニング指導士・資格認定制度
 2000年4月に発足した、スポーツメンタルトレーニング指導士の資格制度の発足の経緯、資格制度の設立の目的、資格の種類について触れる。

【結論】

 約120年に歴史の中で、メンタルトレーニングに対する知名度は上がっていったように思う。それは、競技力向上やより良いパフォーマンスを発揮するために必要なものとして、スポーツ選手に浸透していったからであろう。メンタルトレーニングを行うことにより、決断が必要なときに適切な判断ができ、耐えるべきときに忍耐力を発揮できるようになる。しかし、メンタルトレーニングと言っても、競技種目によりトレーニング方法が異なる。また、様々なトレーニング方法があるため、自分がどのような性格で、どのようなメンタルトレーニングが必要なのかを見極め、実践を積み重ね競技力向上に結び付けていくことが必要となるだろう。

【主要参考文献】

1.『スポーツメンタルトレーニング教本 改訂増補版』日本スポーツ心理学会 鈴木一行 2005年4月
2.『スポーツ心理学事典』日本スポーツ心理学会 鈴木一行 2008年12月