交通手段としての自転車の検討

政治学科 9組23番 日野 雅晃

【序論(目的)】

 私の趣味は「サイクリング」である。ゼミの研究テーマであるスポーツ文化論から学んだことを自分に当てはめた上で、趣味である「サイクリング」をテーマに卒業論文を書こうと思い立った。またなぜ「サイクリング」が好きであるか原点を探ったところ、上京組である私は東京での公共交通機関の混雑を不快に感じており、開放的な自転車による移動を好んでいるという結論に至った。2020年にオリンピックの開催が決まっている東京において、オリンピックに向けて更なる交通網の変革、それに伴う混乱が予想されるだけでなく移動に対する人のニーズも変わって行くと考えられる。その中で自転車が交通手段として果たす新たな役割を、様々な角度から模索、研究することを目的とする。

【各章の概要】

第1章 道路交通
 交通手段として自転車を検討する土台として、まずそもそも道路交通とは何なのかについて考える。その中で道路交通が抱える交通事故や都市計画といった問題を明らかにし、交通手段として自転車を再評価する流れについて触れていく。同時に現代社会の交通において自転車が曖昧な立場であるを紹介する。

第2章 交通手段としての自転車の検討
 他の交通機関と比較し、自転車が優れている点を明らかにしていく。自転車の交通具としての特徴や経済・環境面における優位性、そして都市型の輸送手段としても活躍している現状を紹介していく。また東京の交通の現実に触れたうえで、その中でより有能な交通具として各種スポーツバイクとそれらの特徴について考察する。

第3章 山手線走破への計画
 交通手段としての自転車を実証するのに山手線を1周することを計画する。なぜ山手線なのかというと世界の中心都市として役割の高い「東京」の沿革とも言える山手線を自分の足で踏みしめたいと強く願ったからである。この章では山手線各駅のデータと実行のスケジュール、そして各種計測項目について触れていく。

第4章 山手線走破
 インフルエンザを発症し期日に実行することができなかったため、先人のブログに記載してある記録を参考にし山手線走破にについて検証する。

【結論】

 自転車は交通手段としての性能が圧倒的に優れていることが分かるとともに、日本の道路交通ではなかなか市民権を得れていないなどの問題を抱えていることがわかった。だが自分自身の生活環境をしっかりと考えたうえで交通手段として自転車の利用に回帰することは決して悪いことではないはずだ。また名古屋から進学のために上京し東京の交通の現状を目の当たりにして思うのは、東京の公共交通機関が抱える現状を打破するためにもぜひ行政と市民が一体となって自転車利用に関するインフラを整えるべきだということだ。もしこれが達成された時、2020年に控えた東京五輪における交通麻痺の問題は少なからず軽減されるはずだ。自転車が交通手段として確固たる市民権を獲得し、大勢の人間に利用されるようになることを願う。

【主要参考文献】

・サイクルパワー 自転車がもたらす快適な都市と生活 横島庄治 ぎょうせい 2001年3月
・栗村修の気楽にはじめるスポーツバイクライフ 栗村修 洋泉社 2012年4月