日本ホッケー史と今後の課題

地域行政学科 10組24番 松尾 賢治

【序論(目的)】

 私は高校からの現在に至る7年間ホッケーに携わってきた。そこでこの卒業論文を利用して日本のホッケーが伝わった軌跡を辿るとともに自らのホッケースキルや知識の向上に役立てたい。そして歴史を再認識しこれからもホッケーに取り組んでいきたい。世界的に日本のホッケーは遅れをとっていることを課題とし、これからの日本ホッケー界で飛躍的な進化を果たすためにはどういったことが重要になってくるかを明らかにしていきたい。

【各章の概要】

第一章 ホッケー渡来
 日本にホッケーが渡ったことに様々な説があるが、最も確実なのはウィリアム・T・グレー氏が日本にホッケーを持ち込んだ説だ。その後、慶應義塾大学を中心にホッケーが日本に根付いていく。戦前はオリンピックにも出場しており日本代表は世界で10位以内に入るほどの実力を誇っていた。

第二章 戦後の日本ホッケー
 第二次世界大戦後の日本は皆生活していくことに精一杯であったが徐々にスポーツ振興が活発になった。戦後、メキシコオリンピックに出場するもアンパイアのミスジャッジもあり、上位に食い込めず勝負の厳しさを思い知る大会となった。次大会のミュンヘンオリンピックでは出場条件を十分に満たしていたにも関わらずJOCのエントリーミスにより出場が閉ざされてしまった。この大会を境に日本のホッケー界は低迷期を迎えてしまう。

第三章 新たなホッケーの可能性
 欧州のホッケーは人工芝に水を撒いたウォーターベースで行われるようになり、その設備条件が世界的に浸透していく。日本ではトーナメント大会の他に年間を通して戦うリーグ戦を作り、ホッケースキルの向上を促した。その結果、日本女子代表は世界と戦える選手の育成に成功し、オリンピック初出場を果たすこととなった。

第四章 日本ホッケー界の課題
 日本ホッケー界の未来として世界と戦うためにジュニアの育成が鍵となる。そして国内の設備環境の向上やメディアへの露出努力を増やすことによって2020年に行われる東京オリンピックでのホッケーの認知度が変わってくるだろう。

【結論】

 世界のトップチームと対等に戦うために必要なものは、もちろん選手のスキルが高くチームワークがあることであるが、その根底には国としての資金力や設備環境があってのことであることがわかった。しかしスポーツは結果が全てであるため勝たなくては資金を得ることができない。そういったシビアな中でホッケー日本代表はこれからも戦っていく必要がある。

【主要参考文献】

 ・日本ホッケー100年~The Centenary of Japan Hockey 2007年10月8日発行
 ・日本ホッケー九十年史 社団法人日本ホッケー協会   1997年6月7日発行